毎日放送制作・TBS系列『情熱大陸』では、日本を代表する万葉集の研究者で著書は100冊を超え、「令和」の考案者と目されている万葉集研究第一人者・中西進さんの密着3ヶ月間が明かされます。

 

2019年3月14日に国文、漢文、日本史、東洋史の学者に元号の考案を委嘱し、6案から有識者9人の懇談会で決まった後、朝日新聞の取材で複数の政府関係者が考案者と認めている中西進さんの生き方の原点、伝えたいメッセージなど当たり障りなく紹介してみたいと思います。

スポンサードリンク

令和考案者・中西進が2019年夏に思う事とは?

捨てられないモノから人柄を物語っていました。

捨てられないモノとは、使い続けて2~3cm程まで短くなった鉛筆でした。

中西進さん曰く「愛すべき永久保存に形を変えた友達」であり、誰に教わったわけでも無く、捨てがたくて取っているそうです。

中西進は2019年4月1日に発表された万葉集に由来する新元号「令和」の考案者は中西進さんと言われています。

中西進さん自身は肯定も否定もしていません。

中西進さんの経歴は

  • 日本学基金理事長
  • 国際日本文化研究センター名誉教授
  • 京都市立芸術大学名誉教授
  • 大阪女子大学名誉教授
  • 東日本国際大学客員教授・比較文化研究所長
  • 奈良県立万葉文化館名誉館長
  • 総合研究大学院大学名誉教授
  • 瀬戸内海島めぐり協会会長
  • 鄭州(ていしゅう)大学客座教授
  • 天津師範大学客座教授
  • 高志の国文学館館長

といった10以上の肩書きを持ち、89歳とは思えないほど矍鑠としています。(2019年8月時点)

情熱大陸の番組スタッフは令和初めての終戦の日も取材をしており、その時に中西進さんは自宅の書斎で句を詠んみました。

中西進さんの自宅は、京都にあります。

中西進さんは、殺到する原稿依頼に応える為に朝起きたら、朝食を取らずに書斎に行き、連日執筆に追われていました。

2019年春から秋までに新作・旧作の出版は24冊という数になります。

中西進さんの自宅の書斎は2階の非常に明るい角部屋あり、書斎に行く廊下には数え切れない程の本が並んでいます。

中西進さんは、パソコンもワープロも使いません。

2Bの鉛筆で下書きした後に万年筆で清書します。

エッセイから専門書まで多彩な企画が同時進行しており、番組スタッフが訪れた時は、ゲラ刷りの校正作業をしてまいた。

ゲラ刷りとは、納品した原稿に誤字や脱字がないかどうかチェックするための校正紙を指します。

ゲラ刷りの校正作業をしていたものは「上代文藝に於ける散文性の研究」というタイトルで全部旧字体旧仮名で書いていました。

中西進さんは「今の若い人達には読めなくなっていると思いますよ」と言っていました。

作業が一段落した時間は11時を過ぎ。

ようやく朝食を摂った中西進さんは、健啖家ではないそうですが何でも食べるそうですが美食ではないと番組内で語られていました。

しかし、嫌いな食べ物はコンニャク、鮒ずしは苦手だそうです。

中西進さんは、広い自宅で妻・貴美子さんと二人暮らし。

中西進さんが専門とする「万葉集」とは、日本に現存する最古の和歌選集で1300年ほど前に編まれ、天皇や貴族から名もなき人々まで4500首余りの歌が収められています。

中西進さんは、万葉集と中国文学の関係を紐解く研究で日本で最も権威のある日本学士院賞を受賞したのは、今から半世紀近く前の事でした。

番組スタッフが密着で、一般に万葉集の講義(セミナー)にも密着していました。

春過ぎて夏来(きた)るらし
白栲(しろたへ)の衣乾したり
天の香久山

初夏の香久山に白い洗濯物がたなびく様子と詠んだものするのが従来の解釈ですが、中西進さんは違っていました。

中西進さんが一般に万葉集の講義(セミナー)の話していた解釈を書き起こしてみました。

この歌おかしくないですか?

何がおかしいでしょう

何処に洗濯の乾し場があるんです?

香久山で乾してるんです

わざわざ家で洗濯をした

川なら分かりますよ

おかしいんですよ

だったら、このまま信じてはいけません

山に衣があるよりは何があった方が良いですか?

雪はどうでしょう

雪があるだと考えるべきですよ

中西進さんは、白栲(しろたへ)の衣を雪を解釈し、季節は春過ぎて夏でもなく、冬の歌だと大胆に読み解くユニークなものでした。

しかし、中西進さんは周りから「深読みの中西」というあだ名をつけられて大変迷惑をしてきたそうです。

中西進さんは、深読みは良い事だと現在のAI(人工知能)のの急速な発展を支える技術ディープラーニングと一緒だと説いていました。

中西進さんにとって万葉集のゆかりの地を訪ねるのがライフワークの1つだと、番組酢たっつの密着で広島の鞆の浦を訪ねていました。

そこで福山市長・松広直幹さんとの対談で血の通った人間の息づかいこそが万葉集の魅力だと下記の様に語っていました。

美醜なんてものを飛び越えたところに価値観が万葉集だけがあるんです

古今集以降と違って

いかに生命力があるかないかで良い歌か悪い歌かが区別されるわけです

古今集以降は上手な歌か下手な歌かかっこいいかかっこ悪いか

その価値観が必要になった時代に万葉集が尊重される

今、万葉集ブームが訪れているのも時代の生命力が陰っている証しという事を言ってるのかなと思いました。

中西進さんは、万葉集のファンを相手に月に一度の勉強会「中野万葉会」を開くようになって46年になります。

昭和から平成、令和にかけて弛み無く続けているのも中西進さんの人柄なのかも。

万葉の心を伝え、分かち合う事で中西進さんの地道な学究生活を潤す豊かな時間なのかも知れませんね。

中西進さんがインタビューの中で

よく何の為にとか してどうなるのとか 研究もね 世のため人の為にあるって言うでしょ 恐らくあれはね 第三者の言い分だと思いますよ

第一の当事者の言い分じゃないと思う 情熱大陸はどうですか? 何かのためにやってますか? やりたいからやってるんじゃないですか?

そうですよ それでいいんですよ やりたいって事が全て善良な結果を生んでいるわけでしょ

と、語られていましたが共感してしまいました。

中西進さんの唯一の趣味”フクロウグッズの収集”は40歳の頃、ギリシャで出会って以来、年々増えているそうです。

フクロウが好きな理由は、フクロウは学問の神様だからで自宅の外壁にもフクロウの壁飾りがあります。

番組スタッフから「学問を向上したいという気持ちの表れですか」という質問に中西進さんは「まだ何も勉強していない 本当に」と答える隣で妻・貴美子さんから「毎日発見する喜びを感じてるみたいです」会話のやり取りに管理人は脱帽です。

自宅の庭の一角にテレビカメラが初めて入る中西進さんの聖域がありました。

その場所は図書館を思わせるような書庫で書棚は分野別に整然と区分けされているそうです。

建物は2階建てのようで圧倒されるほどの書籍が集まっているようです。

先人達の膨大な叡智が詰まった書庫は、新たな知恵を育むゆりかごと言っても過言ではないでしょう。

1941年に中西進さんの父親がしたためた記録もありました。

1941年6月18日の夜と書いてある記録は、子供の頃にした家庭俳句会のもので、中西進さんは小学6年生の時に高得点に取った句「赤とんぼ 竿をまわりて 止まりけり」と未だに覚えているそうです。