情熱大陸で密着された春夏秋冬と鮒ずしの軌跡

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日本最古の保存食である「鮓(すし)」。伝統の味にさらなる磨きをかける男がいる。2016年12月30日、徹夜でおせち作りに追われていました。徳山浩明さんの肩書きは発酵料理人。

限定100個の重詰めに選び抜かれた土地の恵みばかりが丁寧な手間を経て納められていく中で、存在感を放っているのは1000年以上の歴史を宿した「鮒ずし」。

奈良時代に生まれた調理法は各地の郷土料理に生きており、「鮒ずし」は琵琶湖を周辺を代表する味です。徳山浩明さんの「鮒ずし」と伝統的な「鮒ずし」の違いは生命線になるため語られることはありませんでした。

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極めつけな発酵食品のために癖のある匂いを怪訝する人が多いのですが、徳山浩明さんの「鮒ずし」には、その匂いは無いそうです。あしらうソースは里山のミツバチが集めてきた蜂蜜だそうです。

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芽吹きの季節・春に取材は始まりました。鮒ずしの仕込みはまだ先だそうですが、この時期は岐阜・福井へと連なる険しい山々に分け入って毎朝、山菜採りに夢中になるそうです。

山菜の女王とも言われるコシアブラの新芽は特有の香りと苦味を備えています。

徳山浩明「(山菜は)がむしゃらに探そうとすると逃げるんです。別に逃げはしないけど目に映らない 欲張りには何もない」

謙虚でなければ自然を相手には出来ないそうです。徳山浩明さんの料理宿「徳山鮓」は、山菜でも評判だそうです。どこに行けば何が手に入るかは企業秘密とのことでした。

次男・敬介さんがゼンマイの群生地を見つけ、明日は雨ということで昼から5人で採りに行く事を決め、昼の営業を終えて再び場所に向かうと山菜ハンターに先を越されてしまいました。
※次男・敬介さんはフランスに料理修行に行くそうです

違う場所からゼンマイのある場所に向かうことを試みたところ、ゼンマイは無事でしたが、徳山浩明さんは、息子達に喋りながら山菜採りに行くといる場所が分かってしまうのでヒソヒソ話か目で合図するように教えていました。

 

山菜の天ぷら10種盛り

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花山椒の熊鍋

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花山椒とイノシシのソテー

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サバの熟ずし カチョァバロチーズ添え

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鮒ずしの準備は夏の訪れの前に始まりました。

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料理宿「徳山鮓」の前に広がる余呉湖にあちこちにニゴロブナを獲る仕掛けを沈めているそうです。また、漁師の人達にお願いしているそうです。

天然うなぎでも知られている余呉湖で徳山浩明さんは、昔ながらのうなぎ漁を次男・敬介さんなどに教えているそうです。うなぎ料理は、春から秋にかけて看板料理「天然うなぎの蒲焼き 実山椒添え」として提供されているそうです。

天然うなぎの蒲焼き 実山椒添え

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常連客からは次男の敬介さんと長女の舞さんが跡継ぎになることが知られているそうです。娘に弱いのは世の父親の常だろうか徳山浩明さんもあまり強い言い方はできない姿もありました。

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鮒ずしにするニゴロブナは全て雌を使い、卵を傷つけないように注意しながらエラや内臓を取りだした後、作業は取材NGでした。その作業はみんな出来ないものだそうです。発酵中に臭みの原因になる内臓など完璧にとって卵だけを残す工程だそうです。

余分な水分を出して発酵を促すために塩漬けにして梅雨が明けるまでの4ヶ月間待ちます。

 

そして夏・・・。

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塩漬けにしていたニゴロブナを取りだして水で洗い、天日干しにかかりました。半日ほど天日干しをしてからニゴロブナに炊いた米を詰め、桶にニゴロブナとお米を交互に詰める本漬けにして発酵するまでひたすら待ちます。
※漬けた桶は40数個でした

徳山浩明さんは本漬けをする時に試行錯誤の末に辿り着いたニゴロブナに”あるもの”をつけることで臭みや酸味を消すことができるそうです。

何かを加えて何かを引いて毎年実験を繰り返しながら厳密に温度管理された蔵で冬まで寝かせます。やがて発酵が始まると様々な乳酸菌、旨み成分のアミノ酸が息づいていきます。

 

秋・・・。余呉湖の周囲は燃えるような色彩に溢れていました。

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徳山浩明さんは、キノコ狩りに精を出していました。山は1年を通して食材に事欠かない。足下で見つけたのは群生するキノコ「ハタケシメジ」でした。夢中になりすぎて道に迷うこともあるので注意が必要です。

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熊肉出汁のハタケシメジ鍋

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「匂い松茸 味しめじ」とよく言われますが徳山浩明さんの鍋は、山野に潜む生き物だけが持つ豊穣の味だそうです。

ビワマスのパテ カンゾウタケ添え

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アカヤマドリタケの握り寿司

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夜も明けきらぬ時間帯に食材になる鴨の猟に付き合った徳山浩明さん。土地を知り尽くす男達の存在が徳山浩明さんの料理を支えているそうです。この日は、撃ち損じてしまいましたが2日後に猟師は期待を裏切らずにマガモの雄と雌を持ってきてくれました。
※鴨は、日の出の瞬間が狙い目でカモの雄雌2羽でひと番(つがい)と数えます

冬。

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ようやく鮒ずしは完成を迎えました。徳山浩明さんでも何年繰り返しても味を自在にコントロールすることはできないそうです。発酵した米はクリームのように溶けており、そして取り出した初鮒ずしを妻も含めて味見をしていました。

徳山浩明さんの鮒ずしは「今年の味は今年しか出せない味」であることが語られた回でした。

 

徳山浩明の精神論は?

発酵と向き合う徳山浩明さんは、職人にありがちな精神論とは無縁の人であることが語られていました。

番組スタッフ「修行は年月が必要?」

徳山浩明「いや 私はそうは思わないですね できる子はバンバンやらせたらいいし やはり早く覚えた方がいい 何年やっても 出来ない子はできない 出来る人は半年でもやっちゃうでしょ」