自律神経について少し理解を深めてから睡眠について説明していきたいと思います。

神経系とは?(神経系の仕組みと分類)※この項目は飛ばし読みでも構いません

神経系の仕組み

出典:http://kusuri-jouhou.com/

人間は約60兆個の細胞で構成されています。これら細胞が存在していたとしても互いに連結していなければ意味がありません。そこで情報伝達の役割をするのが神経系です。

この神経系により、さまざまな事を実行することが可能になります。例えば、物を見るや痛みを感じるなどは、信号(シグナル)として神経系を伝わることで脳が感知するので、映像として感知できたり、ズキズキやズキンズキンと痛みを感じることができます。手や足に力を入れるなどの指令も神経系を伝わることで可能なのです。

神経系は神経細胞がたくさん繋がることで、神経を形成しています。脳は1000億以上の神経細胞が密に形成することで複雑な回路を形成しているため、脳の障害が起こればできることが出来ないという症状が顕著に現れるのもそのためです。

神経細胞と神経細胞との間には隙間があります。隙間があるため、そのままの状態では信号(シグナル)が伝わらないため、神経細胞と神経細胞との情報伝達を行うための物質が必要になります。このような物質を神経伝達物質と言います。

例えば運動などで興奮した時には、アドレナリンという神経伝達物質が分泌されます。その逆に体を休めている時に活発に分泌されるアセチルコリンなどがあり、神経伝達物質にも様々な種類があり、それぞれ役割が異なります。

上記の画像の通りに神経系はいくつかの種類に分けることができます。神経系において最初の分類分けでは中枢神経末梢神経です。

中枢神経は脳と脊髄のことを指します。中枢の意味は「中心となる大切な部分」です。脳は物事を考えたり指令を出したりする司令塔としての役割を果たしているため、体の中枢を担っている脳と脊髄を併せて中枢神経ということになります。

末梢神経は「中枢神経以外の神経系」を指します。つまり脳や脊髄以外の神経全て含めて末梢神経ということです。中枢神経からの命令を全身に伝える末梢神経は、さらに2つに分けられます。

末梢神経を分けると、自分の意思で動かすことが可能である体性神経と自分の意思では動かせない自律神経です。それでは、睡眠と疲労回復物質”FR”の話に戻りたいと思います。

スポンサードリンク

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っている?

自律神経は交感神経と副交感神経という正反対のはたらきをする2つの神経がシーソーのように交互にはたらきます。つまり、交感神経と副交感神経は同時には、はたらきません。

昼間は交感神経がはたらいて、活動しやすい状態。夜間は副交感神経がはたらいて、昼間の活動での疲労やダメージを回復するという役割で健康、生命維持をしています。

【交感神経】・・・活動・緊張・ストレスの神経

交感神経がはたらくのは、活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時。主に、昼間の活動中は交感神経がはたらいています。まわりの状況に応じて、すばやく反応して行動できる状態です。また、緊張やストレスを感じている時も交感神経がはたらいています。

※交感神経にも弱い強いがあります。

仕事の環境ひとつとっても「楽しく上司や仲間と仕事をしている人」と比べると「苦手な上司や仲間とプレッシャーにかこまれて仕事をしている人」は交感神経ばかりがはたらく毎日となり、自律神経のバランスの乱れは大きくなりやすい。

【副交感神経】・・・修復・休息・リラックスの神経

副交感神経がはたらくのは、リラックスしている時、ねむっている時、体を回復している時。主に夜の睡眠中、入浴中、食事をしている時などです。マッサージされて眠くなっている状態も副交感神経がはたらいています。

副交感神経がはたらく時間が短ければ、体がじゅうぶん回復できずに、疲れがとれない、体が重たい、目覚めが悪い、肩や首がこる、めまい、微熱など、さまざまな不調があらわれてきます。

要するに交感神経と副交感神経は、体の同じ器官に対して正反対のはたらきをすることで、体の機能を調節していることになります。睡眠不足は副交感神経のはたらく時間を短くすることになるので疲れはとれないのも納得がいきます。

番組では、副交感神経を優位にする方法として『1人になる時間を作る』、『クラシック音楽を聴く』が紹介されていました。

交感神経と副交感神経

出典:http://genki-go.com/

 

いびきで疲労回復の決め手の質の高い睡眠ができない?

呼吸は、通常でもかなりの運動負荷になっているのですが、いびきをかいている状態では気道が狭小化しているため、肺に空気(酸素)を入れるのはさらにエネルギー負荷がかかります。(いびきがひどい場合、通常の10倍の労力を要することもあると海外で報告があるそうです)

いびきをかくことで酸素量が減り、心拍数が上昇し、交感神経が優位になるため、「副交感神経のはたらきが弱まる=疲労回復物質”FR”のはたらきが弱まる」ので、疲れがとれずに夏バテに陥りやすいという悪循環になります。

睡眠中の呼吸負荷を画期的に軽減してくれるものを番組では紹介していました。

大阪市立大学医学部疲労医学教室で開発した「疲労回復CPAP」

疲労回復CPAP

出典:疲労クリニック.com

CACP(シーパップ)とは、Continuous Positive Airway Pressureの略で日本語では「経鼻的持続陽圧呼吸療法」と言うそうです。CACPの優れている点は、装着して眠った一日目からいびきが軽減されるそうです。

エアチューブと鼻マスクを介して適当な圧を加えた空気を鼻から気道へ送り込み、気道を押し広げて気道の通りを良くするものです。また、空気を押し込むことで空気を吸う動作を楽にしてくれます。睡眠時無呼吸症候群では100%の有効率を特長とし、睡眠効率を上げることで慢性疲労を劇的に改善することが知られています。ただ、従来のCPAPは、重度(AHIが20以上)の睡眠時無呼吸症候群の患者を対象としたプログラムになっており、いびきをかきやすいながらも無呼吸ではない慢性疲労の方には別の制御が必要でした。そこで、大阪市立大学医学部疲労医学教室は、(株)インフォメディックスの協力により、いびきをかきやすい健常者を対象とした「疲労回復CPAP」の開発を行ってきました。疲労回復CPAPは、睡眠時の呼吸負荷を軽減し睡眠時の疲労回復を促すよう、空気圧の変動をあなたの呼吸状態に応じてプログラミングすることで、呼吸数や呼気と吸気のタイミングを自動調整するようアルゴリズムが制御されています。
疲労クリニック.comから引用

【補足】

睡眠時無呼吸症候群(SAS)のもっとも重要な治療法としてCPAPは第一選択枝として広く行われています。今回紹介された「疲労回復CPAP」は、臨床研究を除き、一般臨床では東京疲労・睡眠クリニックのみで利用可能のようです。

 

いびきは3つの舌の体操で改善できる?より良い睡眠環境を作るのは?続きは次へ