細胞が活性酸素で酸化(サビ)て一時的に傷つくことで機能低下を起こすと発生するのが疲労因子”FF”です。その発生が脳に伝わり「疲れた」と感じるといわれています。疲労因子”FF”の正式名称は「Fatigue Factor:ファティーグ・ファクター」といいます。

疲労の研究は、1998年に厚生労働省が行った疫学調査の結果がきっかけとなり、現在も国家レベルで進められています。疲労因子”FF”の存在は、東京慈恵医科大学教授・近藤一博氏の研究グループが、2008年9月4日に沖縄県名護市で開催された国際疲労学会にて、初めて世間に発表されました。

そして、2011年1月に疲労因子”FF”打ち消す働きがある疲労回復物質”FR”が発見されました。この存在により研究が進み、新たな予防・解消法が生まれてきているわけです。

体内で疲労因子”FF”が増えると、傷ついた細胞の修復を促す働きがある疲労回復物質”FR”が発生し疲れを回復させようにできていることが明らかになってきました。それではその疲労回復物質”FR”について紹介してみたいと思います。

【補足】

乳酸=疲労と思いがちかもしれませんが、2004年のScience誌に掲載された論文で乳酸は疲労を起こす物質ではなく、むしろ疲労を軽減させている物質であることが判明しています。

無酸素運動を行うと血液中に乳酸が増えるのは事実ですが、「乳酸が増える」=「体が疲れる」ではなく、むしろ乳酸は「細胞の疲弊を保護する」働きがあり、疲労回復のエネルギーとして利用されているとわかってきています。

疲労回復物質”FR”とは?

傷ついた細胞の修復を促す働きがある労回復物質”FR”とは正式名称は「Fatigue Recovery Factor:ファティーグ・リカバリー・ファクター」といいます。体内で疲労因子”FF”が増えると、呼応するように疲労回復物質”FR”が現れるそうです。傷つけられた細胞の修復を促す働きがあります。

翌日に疲れが残る人とあまり残らない人がいる差は、この疲労回復物質”FR”の反応性に関係があるということで、反応性が高い人は疲れが残りづらく、低い人は疲れが残りやすいといえます。

つまり、疲労回復物質”FR”の反応性を高めることができれば、疲れの残りづらい体になることができるということですね。40歳以降は、疲労回復物質”FR”がだんだんと低下してくるそうです。

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食事やライフスタイルなどの生活習慣を変えることで疲労回復物質”FR”の反応性を高めることはできるということで、当たり障りなくまとめてみたいと思います。

究極の抗疲労物質「イミダゾールジペプチド(別名:イミダペプチドイミダゾールペプチド)

イミダゾールペプチドとはタンパク質の一種で、疲労を回復させることが医学的に証明された物質だそうです。「カルノシン」と「アンセリン」のアミノ酸が結合した総称です。実は、この成分の発見は意外と古く、1900年までさかのぼるそうです。最初はほ乳類の骨格筋中で発見され、その後も様々な種類の脊椎動物でも発見されました。

渡り鳥を祖先に持つガチョウの骨格筋中に豊富に含まれていることが分かっています。中でもイミダゾールジペプチドの濃度が高かったのは、羽を動かす胸肉の部分です。渡り鳥やマグロ、カツオ、カジキなどの回遊魚、 長時間連続した運動を必要とする生物の筋肉組織に多く含まれているようです。

疲労改善のために必要なイミダゾールペプチドの量は1日200mgで、

 【目安】
ニワトリの場合は胸肉を約100g
マグロやカツオやカジキなどの場合は赤身や尾ひれを1日約200g
※カジキやマグロなどの大型魚を食べる場合、妊娠中・授乳中の人は医師に相談してください
牛肉の場合は400g以上
※たんぱく質・脂質の取りすぎで、肥満や生活習慣病を招く危険性があります

食べれば200mgのイミダゾールジペプチドが摂取でき、長期にわたって摂取しても問題がないことも確かめられています。また、摂取することで運動後の疲労が素早く回復することも確認されているようです。

さらに、ビタミンCと一緒に取ると疲労を2倍早く解消できることがわかっているので、一緒に取るといいそうです。できれば朝など疲れる作業をする前に摂取することがコツのようです。とは言っても毎日食べるのは正直、しんどいと思います。今では、イミダペプチド名前でサプリメントやドリンクも販売されています。

疲労度は唾液検査でわかる?

これまでなかなか疲労の度合いを数値化することができていませんでした。今では、疲労の原因、疲労の重症度を科学的に唾液検査をすることで測定することができます。

唾液中のヒトヘルペスウィルス(HHV)6・7型のDNA量を測定します。ヘルペスウィルスは、日本人ならほぼ100%の方が体内に保有しているそうです。

健康な状態の時は、ヒトヘルペスウィルスも体内で平穏に過ごしているのですが、慢性的に疲れきった状態や病気によって身体が弱ると、ヘルペスウィルスは真っ先に健康な他の人に逃げだそうと皮膚や唾液に出てくる特性があります。

何故かと言うと宿主(人間)が弱ってしまうと生息していくに当たってとても不利になり、最悪死んでしまおうものなら自分(ヒトヘルペスウイルス自身)も「共倒れ」にはなりたくないために唾液に集まります。

唾液というのは、しゃべったり、くしゃみをしたりする際に口から飛び出しやすいため、体の外に出て新たな宿主(人間)に寄生します。
※唾液ではなく、唇の周りの皮膚にもよく集まるそうです。口周りに向かって脱出をはかっているということです。

ヒトヘルペスウイルスは10万(copies/ml)までであれば正常範囲だそうです。

 

疲労回復物質”FR”を増やすにはもっとも効果的なのは睡眠?続きは次へ