メディアや市場関係者から叩かれ続けた理由は?

グリーやディー・エヌ・エー(DeNA)といった携帯電話向けゲーム会社が急成長した2011年に重なって3DSが販売されました。専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、ウェブブラウザとSNSアカウントのみで利用可能なソーシャルゲームは失速するも、2012年後半からは「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」などのスマートフォン(スマホ)向けゲームアプリの出現で任天堂の失速とは対照的にモバイル向けゲーム市場は繁栄の一途をたどってしまいました。

岩田聡氏には『ゲーム人口拡大』、『お母さんの敵にならない』という考えは健在で、『お母さんの敵にならない』という部分では、ソフトウエア面では「脳トレ」や「Wii Fit」に代表される脳や体を鍛えるアプリだったり、ハードウエア面でもテレビのリモコンのようなゲーム機らしからぬWiiのコントローラー、Wiiの省スペース・省電力設計は家庭のお母さんを意識して具現化してきました。

3DSの販売不振が鮮明となっていた2012年暮れ、Wii Uという据置型の新型ゲーム機を市場に投入し、ゲーム機の『社会受容性』を高めてゲームへの敷居を大幅に下げようと目指しましたが、メディアや市場関係者からは 「儲かるソーシャルゲーム市場になぜ出て行かない!古びたゲーム専用機のビジネスにいつまでこだわる?」と任天堂への「圧力」は日増しに高まりました。

そんな折でも岩田聡氏は、『お母さんの敵にならない』、『社会受容性』を高めなくてはいけないう考えを貫いたそうです。岩田聡氏は、ゲーム産業を取り巻く環境が激変したことで、ふたたびゲームが社会の敵となろうとしていたことへの危機感を持っていたのではないでしょうか。

任天堂は1980年に発売した携帯型ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」以降、35年に渡り「ソフトとハードが一体型」のビジネスを手がけ 「マリオ」や「ポケモン」や「ゼルダ」といった今でも世界の子どもたちに愛されている知的財産も豊富な任天堂ですが、ソーシャルゲームに参入しませんでした。

デザインとストーリーを少し変えただけのゲームが何百と氾濫したソーシャルゲームに追随するというこは、「よそと違うことをやれ」、「ソフトとハードが一体型のビジネス」である社是社訓とも言える3代目社長・山内溥氏の確固たる「人々の笑顔、健全で楽しい娯楽の世界を守る」という任天堂の不文律を順守出来ないからでした

実際にソーシャルゲームでより強いカード(キャラクター)を有料の「ガチャ」で引き当てるゲームで「射幸心」や「行き過ぎた課金」や「援助交際」の温床として心ない大人に利用されたことで社会問題に発展しました。

熱中させ莫大な収益をもたらす道具となったソーシャルゲームですが、人々を笑顔にするものであったかどうかは疑わしい状況になっている気がしますね。

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任天堂は新しいビジネスモデルを確立できるのか?

モバイル向けゲーム市場への参入を拒んでいた任天堂が、ソーシャルゲームの草分けであるディー・エヌ・エー(DeNA)と資本・業務提携を交わしての参入表明でついに追い込まれ変心と誤解は広がったのですが、岩田聡氏は、そうした反応を予想していたかのように、どこか余裕のあるリアクションを見せたそうです。

岩田聡氏曰く、「追い込まれたのではなく、時が来た」からだと明かしています。もちろん、少数から多額の課金を得るタイプのゲームを作るつもりはなく、新しいビジネスモデルの発明(射幸心を煽る「ガチャ」への挑戦)を確立していく準備が整ってきたと読み取れるのではないでしょうか。

キャラクターなど知的財産(IP:Intellectual Property)と企画・開発を任天堂が中心になって行い、ディー・エヌ・エー(DeNA)は主にサーバー側の構築や運営で強みを発揮させ、任天堂がすでに提供している「ニンテンドー3DS」「Wii U」といったゲーム専用機向けのタイトルについて、「過去タイトルの移植は一切予定していない」と、岩田聡氏は明言しました。

 

ビジネスモデルの発明にも意欲とは?

「ガチャ」に代表される遊び方が中心で「射幸心を煽る」などのシステムやビジネスモデルが問題視される事に対して、任天堂とディー・エヌ・エー(DeNA)が業務資本提携の発表の時に岩田聡氏は

「任天堂が納得しない方法で提供されることは、あり得ない。Free to Start(=プレイ無料のアイテム課金制など)を一律に否定はしないが、(現在でも)ビジネスとして行き過ぎではないか? 子供に提供してもいいのか? というものはある。任天堂のIPでそれらはない」

「実際に、たくさんの人に遊んでもらって、それではじめて意味がある。どうしたら受け入れてもらえるのか。任天堂は天邪鬼な会社だ。(Free to Startが当たり前だからと)その通りやるのか? 我々がやる上では、それだとつまらない。DeNAと一緒に、いろいろトライすると思う。お互いに、新しいビジネスモデルの発明ができたら最高ですね」
http://k-tai.impress.co.jp/から引用

2015年5月に「マリオカート」シリーズのプロデューサー・紺野秀樹氏をスマホ向け開発責任者に抜擢(ばってき)したことを明らかにし、「任天堂の本気度がわかってもらえすはず」と岩田聡氏は話していました。

 

「タイミングがきた」とは?

ソーシャルゲームのブームからスマホ向けゲームアプリのブームに移行したことで、多彩な表現が可能なスマホを利用することで任天堂の強みが発揮できる状況になった。

世界的には多数から少額の課金を得るタイプのゲームが定着してきており、任天堂もその方向を目指す考えと一致し始めている

自分たちでやれることと他社の力を借りるべきことの整理がついたことで、(DeNAとの提携)協力体制も構築でき、任天堂ゲーム専用機や知的財産(IP)の価値を毀損せずに、利用者と折り合いがつく形で、勝算を持てる材料が全部そろった

以上の点から岩田聡氏は「タイミングが来た」と言っているのだと思います。

2010年6月、ディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功社長とは接点があったそうです。、当時は「モバゲー」に任天堂の知的財産(IP)を貸してくださいから始まり、それにはお応えできないですと断り続けていった結果、守安功社長は「技術や得意分野を使ってもらって、何か一緒にできることがあればどうですか」と変わっていったそうです。

 

任天堂のコアビジネスであるゲーム専用機の開発コード「NX」の投入に言及

岩田聡氏は「ゲーム専用機ビジネスに対する展望や情熱を失ったわけではない。むしろ今まで以上に展望がある。IPの認知のきっかけとして、スマートデバイスの活用は合理的」とした上で、新たな家庭用のゲーム専用機を開発中であると発表しています。

スマホデバイスは最も間口が広く、ゲーム専用機に誘う架け橋にして、よりプレミアムな体験はゲーム専用機で提供することで、利用者を奪い合うのではなく、相乗効果を生み出せると確信し、DeNAとの組み合わせは、極めて強力な組み合わせになると自信を語っていました。

現時点では、任天堂が据え置き型ゲーム機の特許を取得したというニュースが発表されています。次世代機「NIntendo NX」ではないかと考えられ、以下の仕様が判明しています。

・光学ディスクドライブ非搭載
・プログラムやデータを保存するハードディスクドライブ内蔵
・外部HDD接続に対応
・メモリーカードスロットあり
・ネットワークを介してプログラムやデータの送受信ができる高速コミュニケーションユニットを持つ

 

岩田聡氏の名言とは?業績とは?続きは次へ